目的別の栄養のバナー

目的別の栄養

特定のライフスタイルや健康の問題を持つ犬・猫に固有の栄養要件に関する有用な情報。

活動量の多い犬や使役犬

活動的な犬、使役犬、スポーツ犬の食餌

活動量の多い犬、使役犬、スポーツ犬には、仕事やスポーツの種類に適した栄養を与えることで、犬はうまく遺伝的潜在能力を発揮してトレーニングできる可能性があります。

活動的な犬、使役犬、スポーツ犬の食餌

キーメッセージ


  • 使役犬やスポーツ犬によって、エネルギー必要量は大きく異なります(下表を参照)。これは、それぞれの活動には固有の能力要件があり、それにより個々の犬に必要なエネルギーと栄養素のニーズが影響を受けるためです。 

犬の仕事およびスポーツ活動における推定エネルギー必要量
出典:Shmalberg(2014)および Wakshlag & Shmalberg(2014)

a 
(エネルギー必要量の増加が 25% 未満)
a
(エネルギー必要量の増加が 25~100%)
a
 (エネルギー必要量の増加が 100% 超) 
アジリティ 

オビディエンス(服従)またはコンフォメーション(ドッグショー) 

ディスクドッグ 

ドックジャンピング 

グレーハウンドレース 

アースドッグ 

活動量の低い仕事 

コーシング(狩猟) 

フライボール 

バイクジョアリング(3.2~16 km/2~10 マイル) 

カーティング(3.2~16 km/2~10 マイル) 

フィールドトライアル 

ハーディング 

ハンティング(狩猟)(3 時間未満) 

サーチアンドレスキュー(捜索救助) 

ウェイトプル 

犬ぞりレース(32 km/20 マイル未満) 

活動量の高い仕事 

犬ぞりレース(32 km/20 マイル超)

バイクジョアリング(16 km/10 マイル超) 

カーティング(16 km/10 マイル超) 

ハンティング(狩猟)(3 時間超) 

 

 

 

 

 

aこれらの活動の多くについて、運動量は報告されていません。一般的に、激しい運動でも持続時間が短ければ、カロリー必要量への影響は小さくなります。中および高のカテゴリでは、移動距離と環境温度に大きく依存します。これは、通常の活動的な犬のライフスタイルの維持におけるエネルギー必要量 132 x (BWkg0.75) に基づきます。 
  • 運動強度と運動持続時間によって、主に犬の代謝が何に依存するか、つまり脂肪酸か、グルコースか、またはその両方かが決まります(図を参照)。この情報は、適切な食餌の選択に役立ちます。 
嫌気性から好気性までの代謝の尺度のこと。嫌気性であればあるほど炭水化物を多く燃焼し、好気性であればあるほど脂肪分を多く燃焼することができます。このグラフの中点は、50/50の割合になっています。
  • スポーツ犬や使役犬は、やせ型の体型(9 段階評価で 4~5)を維持することで、最高のパフォーマンスを発揮します。
    • 自宅で体型(肋骨、胴のくびれ、腹のたるみ)を定期的にチェックし、犬がやせ過ぎや太り過ぎにならないように給餌量を調整します。
    • 犬へのカロリー供給量は、シーズン(オフシーズン期間、トレーニング期間、活動期間)によって調整が必要な場合があります。
  • 活動的な犬、使役犬、スポーツ犬のすべてに、パフォーマンス用ドッグフードが必要なわけではありません。
    • スプリント犬など一部の犬では、タンパク質、脂質、炭水化物を中程度に含む、高品質で消化のよい成犬維持期用フードで良いパフォーマンスを出すことができます。
    • 耐久力競技を行っている犬には、高脂質・高タンパク質で、特に身体に十分な量を摂取できるように嗜好性と消化性の高いパフォーマンス用の調合が必要になることがあります。
  • 運動中の犬や使役犬が水分不足に陥ると、パフォーマンスが低下する可能性があります。
    • 運動中の犬に水分補給が必要な理由は主に次の 2 つです。
      • 運動は熱を産生する活動である。
      • 熱を発散し、エネルギー代謝の副産物を除去するには、水が必要である。
    • すべての運動中の犬には、安静時の犬に比べて多くの水分が必要です。
    • 犬は体温を低下させるためにパンティングするため、水分がすぐに失われます。
    • 運動中の犬の水分必要量は、犬の体重、環境温度および湿度、パンティング中の蒸発による水分損失効率、運動の継続時間と強度によって異なります。
カンバセーション・スターター

「わんちゃんがトレーニングと遺伝的な能力を十分発揮できるように、用途に適した栄養を与えたいですよね。使役犬やスポーツ犬のエネルギー(カロリー)必要量は、犬によって異なります。特にパフォーマンス用に調製されたフードを必要とする犬もいれば、高品質で消化のよい成犬維持期用フードで良いパフォーマンスを出せる犬もいます。また、やせ型体型を維持することも重要ですので、ボディコンディションスコアを定期的に評価し、必要に応じて給餌量を調整するとよいでしょう。」

飼い主と共有するには:

犬のための体調管理システム進捗表

ペットの体重増減を追跡するために、犬のための体調管理システムシートと進捗表を併用する必要があります。

犬のボディコンディションを評価する

犬のボディコンディションはわずか 3 ステップで評価できます。

動画を観る 1 ~ 5 分

ペットの水分補給

水は健康に欠かせません。ペットはどのくらいの量の水を飲むべきでしょうか、猫と犬では違いがあるでしょうか、どのように水を飲ませたらよいでしょうか。

記事を読む 6 ~ 10 分

その他のリソース

Hill, R. C. (2004, July 31). Feeding dogs for agility [Presentation]. University of Florida College of Veterinary Medicine 8th Annual Dog Owners & Breeders Symposium, Gainesville, FL, United States. http://www.rrcus.org/health/pdf/Feeding_For_Agility.pdf

Shmalberg, J. (2014). Canine performance & rehabilitative nutrition part 1: Canine performance nutrition. Today’s Veterinary Practice, 4(6), 72─76. https://todaysveterinarypractice.com/acvn-nutrition-notes-canine-performance-nutrition/ 

Toll, P. W., Gillette, R. L., & Hand, M. S. (2010). Feeding working and sporting dogs. In M. S. Hand, C. D. Thatcher, R. L. Remillard, P. Roudebush & B. J. Novotny (Eds.), Small animal clinical nutrition (5th ed., pp. 321─358). Mark Morris Institute. 

Wakshlag, J., & Shmalberg, J. (2014). Nutrition for working and service dogs. Veterinary Clinics of North America: Small Animal Practice, 44(4), 719─740. doi: 10.1016/j.cvsm.2014.03.008 

Zanghi, B. M., Robbins, P. J., Ramos, M. T., & Otto, C. M. (2018). Working dogs drinking a nutrient-enriched water maintain cooler body temperature and improved pulse rate recovery after exercise. Frontiers in Veterinary Science, 5, Article 202. doi: 10.3389/fvets.2018.00202