メタボロミクス

メタボロミクスへの貢献
心筋

研究者はメタボロミクスを通じて細胞の活動を研究しています。

これは、エネルギーの生成からタンパク質の構築に至るまで、有機体におけるすべての生化学的反応の結果としてできた化学的フィンガープリントである低分子に関する研究です。これらの代謝産物を追跡することで、細胞、組織、および身体全体における代謝について理解することが可能です。Purina の研究は、健康な動物と疾患のある動物とでどの代謝産物が異なっているかを明らかにすることにより、背景となっている疾患の仕組みに対する理解を深めることに役立っています。

退行性僧帽弁疾患

心電図

退行性僧帽弁疾患(DMVD)は、最も頻度の高い犬の心疾患です。この疾患は心臓に負担をかけ、心不全へと進行する可能性があります。DMVD において代謝経路がどのように変化するのかを解明することは、僧帽弁に障害をもたらす細胞機構を理解するにあたっての重要なステップです。

Purina の研究

Purina の研究

Purina の研究者は、DMVD の犬を研究するために、トランスクリプトミクスとメタボロミクスを組み合わせて使用しました。その結果、健康な犬と DMVD の犬とで著しく異なる血清中代謝産物を 54 種類特定しました。その多くは、疾患群における異常なエネルギー代謝を示すものでした。1,2

覚えておくべき重要な点

  • 生化学反応の結果として産生される小分子は、健康なペットと疾患のあるペットとの代謝の違いをより深く理解するための化学的指紋情報を研究者に提供します。
  • DMVD は Purina のメタボロミクス研究の一例であり、健康な犬と DMVD の犬とで生化学的経路が大きく異なることを示しました。

詳しく知る

1.Li, Q., Freeman, L. M., Rush, J. E., Huggins, G. S., Kennedy, A. D., Labuda, J. A., & Hannah, S. S. (2015).Veterinary medicine and multi-omics research for future nutrition targets: metabolomics and transcriptomics of the common degenerative mitral valve disease in dogs.OMICS, 19(8), 461–470.

2.López‐Alvarez, J., Elliott, J., Pfeiffer, D., Chang, Y. M., Mattin, M., Moonarmart, W., & Hezzell, M. J. (2015).Clinical severity score system in dogs with degenerative mitral valve disease.Journal of Veterinary Internal Medicine, 29(2), 575–581.