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ライフステージ別の栄養

成長期、維持期、繁殖期、高齢期の各ライフステージにおける犬・猫の栄養要件に関する実践的な情報。

仔犬と成犬

仔犬と成犬:やせ型の体型を維持する重要性

仔犬期から生涯にわたってやせ型体型を維持することは、犬の寿命を延ばし、慢性疾患(整形外科的疾患、糖尿病、特定の種類のがんなど)の徴候の発現を遅らせることに関係しています。

仔犬と成犬 やせ型体型を維持する重要性
知っていましたか?

Purina の研究では、仔犬期から生涯にわたってやせ型体型を維持した犬では、寿命が 15% 延び、慢性疾患の徴候の発現が遅れる可能性があることが明らかになっています。

キーメッセージ


  • 複数の研究により、やせ型で健康な体型を維持することには利点があることが示されています。 
    • 14 年にわたるラブラドールレトリーバーにおける研究(Purina ライフスパン研究)では、やせ型体型を維持するように給餌された犬は、若年成犬期における変形性関節症の発現が少なく、骨関節炎の有病率や重症度が低く、慢性疾患の発現が遅くなり、平均寿命が長くなることが明らかになっています。 
    • 12 種類の身体の大きさの違う犬(小型犬、中型犬および大型犬)を使用した最近の研究では、肥満体型が寿命の短縮に関連していることが示されています。 
  • 仔犬期に肥満になると成犬になっても肥満になるリスクが高いため、肥満予防がきわめて重要になります。 

    • やせ型体型を目指して仔犬に給餌することは、長期間やせ型を維持するのに役立ちます。幼犬期に栄養を与えすぎると、脂肪細胞の数が増加し、成犬期の総体脂肪量が高くなります。 
    • 定期的な運動を行うことは、エネルギーバランスの達成を助け、正常な筋肉の発達を支え、人間と動物の絆を深めます。毎日 20~40 分間、走る、歩く、遊ぶ、泳ぐ、あるいは「取ってこい」遊びをすれば、ほとんどの犬にとって十分です。 
カンバセーション・スターター

「より長く健康に過ごすには、仔犬の頃から生涯にわたってやせ型体型を維持することが大切です。」

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その他のリソース

Case, L. P., Daristotle, L., Hayek, M. G., & Raasch, M. F. (2011).Canine and feline nutrition: A resource for companion animal professionals (3rd ed.). Mosby. doi: 10.1016/B978-0-323-06619-8.10025-8

Laflamme, D. P. (2012). Obesity in dogs and cats: What is wrong with being fat? Journal of Animal Science, 90, 1653–1662. doi: 10.2527/jas.2011-4571

Salt, C., Morris, P. J., Wilson, D., Lund, E. M., & German, A. J. (2019). Association between life span and body condition in neutered client-owned dogs. Journal of Veterinary Internal Medicine, 33, 89–99. doi: 10.1111/jvim.15367

Kealy, R. D., Lawler, D. F., Ballam, J. M., Mantz, S. L., Biery, D. N., Greeley, E. H., Lust, G., Segre, M., Smith, G. K., & Stowe, H. D. (2002).Effects of diet restriction on life span and age-related changes in dogs. Journal of the American Veterinary Medical Association, 220(9),  1315–1320.  doi: 10.2460/javma.2002.220.1315