演習シナリオ

オレンジ色で室内飼いの短毛種の猫

ソフィーの紹介

5 歳、避妊手術済みのメス、雑種の猫

  • 今日、ソフィーは定期的な健康診断のために来院しました。ソフィーのボディコンディションスコアは 5/9 であり、前回の診察時から変わりありません。
  • ソフィーは今までずっと健康に過ごしていますが、飼い主は、下部尿路疾患のリスクを懸念しています。
  • ソフィーは室内飼い猫で、ときどき缶詰フードをおやつとしてもらう以外は、猫用ドライフードを食べることがほとんどです。

水分補給

ペットの水分補給

水分は、不可欠な栄養素です。ペットには、新鮮で清潔な水を常時与える必要があります。一般的に、健康なペットは必要に応じて自分で飲水量を調節します。十分な水分補給は常に重要ではあるものの、ペットの水分補給について特別の配慮が求められたり、飲水量を増やすための工夫が必要になったりする場合があります。

流れる水を飲んでいるオレンジ色と白色の猫

キーメッセージ


  • 自宅で飼い主がペットの水分補給をチェックするには、次の方法を用いるとよいでしょう。 
    • 皮膚テントのテスト - ペットの皮膚をやさしくつまみ上げて放した後に、すぐに皮膚が元の位置に戻る(「スナップバック」)必要があります。
    • 歯茎の色と感触 - 歯茎は、指で短く押した後に、その箇所の色がいったん白くなり、2 秒以内に元の色に戻る必要があります。また、ペットの歯茎が湿っており、温かくなければなりません。 
  • ペットは、消化器の不調(嘔吐や下痢)、腎疾患などの基礎疾患がある場合や暑くなりすぎた場合に、脱水のリスクが増大します。シニアのペットは、飲水意欲が低下するという単純な理由から、脱水に至る場合があります。また、活動量が非常に多い犬も脱水リスクが高いため、飲水量を増やす工夫が必要になることがあります。 
  • 一般的に、尿路結石症や特発性膀胱炎に罹患している猫については、尿量を増やして尿を希釈するために、飲水量の増加が推奨されます。また、飲水量が増えると糞便が柔らかくなるため、便秘になりやすい猫にも飲水量を増やすことが推奨されます。 
  • ペットの飲水量を増やすには、次のような方法があります。 
    • 水分が多く含まれるウェットフードを与える。 
    • ドライフードに水を加えて水分量を増やして与える 
    • 複数の動物を飼っている場合は、競争を減らすために給水器を数ヵ所設置する。 
    • 猫にはそれぞれ好みがある場合があるため、異なる給水器、静水と流水、やや冷たい水とよく冷やした水など、さまざまな給水のオプションを猫に提供する。 
    • 栄養豊富な味付きの水分補給物を与える。 

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