
テディの紹介
生後 4 ヵ月、オス、グレートデーンの仔犬
- テディは今日、仔犬期での最後のワクチン接種を受けるためにクリニックを訪れました。
- テディの食餌に関して尋ねると、飼い主は、ブリーダーから教えてもらった完全でバランスのとれたフードをテディに与えられていると答えました。そのフードがもうすぐなくなるため、飼い主は「より自然な食餌」をテディに与えたいと思っています。
- テディの飼い主は、穀物不使用で、しかも生の可能性があるフードを検討しています。飼い主自身がグルテンフリー食を実践しており、「はるかに健康になった」と感じていることもあります。その一方で、飼い主はテディに健康で長生きしてもらいたいとも望んでいます。
- さらに飼い主は、テディにカルシウムのサプリメントが必要かどうかも尋ねています。テディの父親は、大型でしかも体重の重い犬です。飼い主は、テディも同じように大きくなり、体重が重くなると思っています。

子犬
大型犬の子犬:カルシウムの過剰摂取は骨の健康な発達を妨げる
カルシウムは、子犬のさまざまな機能にとって欠かすことのできない必須ミネラルであるため、適正量のカルシウム摂取はきわめて重要です。カルシウム不足は、くる病や疲労骨折を招く可能性がある一方で、カルシウムの過剰摂取は、骨格形成異常や二次的な栄養素欠乏につながる可能性があります。
キーメッセージ
- 子犬は成犬とは異なり、消化管から吸収するカルシウムの量を十分にコントロールできません。子犬はカルシウムを過剰に吸収してしまうことが時にあり、骨格形成異常を引き起こす可能性があります。
- 大型犬や超大型犬のカルシウム必要量は、小型犬とは異なります。ただし、子犬のサイズに関係なく、1% のカルシウム(乾物重量)を含むフードを与えることで、十分量を摂取することができます。
- カルシウムの過剰摂取はリンの吸収を低下させるため、ペットの食餌で推奨されるカルシウム対リンの比率はおよそ 1:1 になる必要があります。
- 成犬用の総合栄養食は、適正量のカルシウムで配合されています。このようなフードを与えていれば、カルシウムのサプリメントは不要であり、むしろ有害になる可能性があります。
補足情報
Larsen, J. (2010). Feeding large-breed puppies. Compendium: Continuing Education for Veterinarians, 32(5), E1-E4.